漢字が覚えられる暗号小説です。灰色の数字をクリックし、数列解読しながら、お読みください。

自転車乗りの影(前半}

ストーリー解説(wikipedia)



下は、シャーロック・ホームズ「自転車乗りの影」の前半文です。会話文主体で、論理的に、かな:漢字は読みやすい範囲内の比率で書かれています。23の段落に分けられ、その段落の冒頭には毎日1つ黒色から灰色に変わるカッコ付きの番号が付けられています。その灰色の番号をクリックすると、画面が「小説文解読パズル(Seesaa ブログ)」に切り変わり、いくつかの漢字が数列化された段落が現れます。現れた段落の数列を漢字の読み、綴りに戻していくうちに、それらの記憶が強化される仕組みになっております。単に読書をしただけなら、漢字力がつくとは限りませんが、この方法なら、つくはずです。では、クリックして、解読してみてください。ストーリーは、こちらをお読みください。



(1)一八九四年から一九〇一年に至るまで、シャーロック・ホームズは多忙の身であった。この八年、有名な難事件で持ち込まれなかったものはないと言っていいだろうし、また何百という個人依頼、およびそのうちの複雑怪奇なものでも颯爽たる役を果たした。多くの驚嘆すべき成功とわずかな避けられぬ失敗、これが長きにわたる間断ない仕事の結果であった。私はこれら全事件の完全なる記録を残している上、少なからず自身も関わっているのであるから、公表するものとして選ぶべきは何か、その判断が容易ならざることはご想像いただけよう。とはいえ、以前よりの方針を守り、関心の元が犯罪の残忍性になるものよりも、解決が見事かつ劇的であったものを選ぶことにしたい。以上の理由により、ここで私が読者諸君に提示するのは、ヴァイオレット・スミス嬢とチャーリントンにおける自転車乗りの影、そして我々の調査が不思議な巡り合わせで思いも寄らぬ悲劇へと至った諸々の一部始終である。実のところ、わが友人の評判たる手腕は子細あってさほど目立った活躍をしなかったのだが、この事件のところどころには、私がこのささやかな連載のために素材として集めた一大記録のなかでも、出色のものがあると言えよう。 一八九五年の覚え書きを開いてみると、我々が初めてヴァイオレット・スミス嬢を知ったのは四月二三日の土曜とある。思い出してみると、彼女の訪問はホームズにとってきわめて歓迎できぬものであった。というのも当時、煙草成金として有名なジョン・ヴィンセント・ハーデンを襲った厄介な謎についての、込み入った難事件に没頭していたのだ。わが友人は何よりもまず精密に考え詰めることを旨としているだけに、


(2)手元から気を逸らされると憮然としてしまう。とはいえ、柄にもなく冷たくせねば拒みようもない。なぜなら、すらりとしてたおやかなうら若き美人が夜分遅くにベイカー街に現れ、話を聞いてご助力ご助言くださいましと来たのだから。暇がまったくないのだと言い張っても詮無く、この若いご婦人は何としても話をする覚悟で、それが終わるまでは無理矢理追い出すほかないようであった。そこであきらめたとばかりに苦笑して、ホームズはこの美しき乱入者に座るよう言い、何にお困りですかと促すのだった。「少なくとも健康問題ではありませんね。」と友人は例の鋭い視線を依頼人に送る。「それだけ熱心に自転車をお乗りなら体力もおありでしょう。」 依頼人は驚いて足元に目をやった。靴底の横側が踏板の縁にこすれて軽くささくれ立っているのが、私にも見て取れた。「ええ、自転車にはかなり乗りますが、ホームズ先生、本日参りましたのもそれに関わりがございまして。」 わが友人は、手袋を外したご婦人の手を取り、科学者の標本に対するがごとく注意深く淡々とあらためる。「失礼はお許しを。仕事なもので。」と手を離しながら言う。「今少しでタイプ打ちの方と見誤るところでした。なるほど音楽に相違ない。ほらワトソン、指が平たくなるのは両者に共通しているだろう? ところが顔に気迫がおありだ。」――友人は依頼人の顔を灯りの方へ向ける――「タイプ打ちでこうはならない。お嬢さんは音楽家だ。」「はい、ホームズ先生、音楽教師でございます。」「その血色からして、おそらく田舎の方に。」「はい先生、サリーの端、ファーナム近郊に。」「美しいあたりで、色々と実に面白いことどもを思い出します。ほらワトソン、その付近で偽造犯のアーチィ・スタンフォドを一緒に捕まえた。 



(3)さてヴァイオレットさん、そのサリーの端のファーナム近くで、何に見舞われたのです?」その若いご婦人は、実に落ち着き整理して、次のような奇妙な物語を始めた。「父は故人なのです、ホームズ先生。名前はジェイムズ・スミス、旧帝劇楽団の指揮者でした。母とわたくしは他に身よりもなく、親類といっても二五年前アフリカに行ったきり音沙汰ないラルフ・スミスという伯父がいるきりです。父が亡くなった当座は貧しいままでしたが、ある日タイムズ紙上にわたくしどもの消息を訪ねる広告があると伺いました。舞い上がったことはおわかりでしょう。すわ誰かの遺産かと思ったのです。早速、新聞に示された弁護士の元へ参りました。そこでお会いしたのがふたりの紳士で、カラザズさんとウッドリさん、南アフリカから帰国なさった方です。お話ではわたくしどもの伯父と友人で、当の伯父は数ヶ月前ヨハネスブルグで貧困のうちに亡くなり、遺言で親類を捜し当て困窮してないか確かめてくれと託されたそうで。生前は便りもなかった伯父のラルフが死後わたくしどもの世話を気にかけるというのも変に思われましたが、カラザズさんの説明によれば、弟の死をちょうど耳にして伯父はわたくしどもの巡り合わせに責任を感じたのがその理由だそうです。」「失礼。」とホームズ。「その会見はいつ?」「昨年の一二月――四ヶ月前になります。」「どうぞ続きを。」「ウッドリさんにはひどく嫌らしい人だという印象を。始終わたくしに目を向け――下品で膨れ面、赤髭の若い方で、額の両側に髪をなでつけて。まったく腹立たしい方だと思います――きっとシリルならこんな人には顔も会わせてほしくないと。」「ふむ、お相手の名はシリルと!」ホームズは顔をほころばす。この若いご婦人は顔を赤らめ声を上げる。「はいホームズ先生、シリル・モートン、電気技師でこの夏の末には結婚するつもりです。



(4)まあ、どうしてわたくしこんな話を。申し上げたいのは、ウッドリさんは実にいやらしい方なのですが、カラザズさんの方はお年をお召しでも感じのいい方で。黒髪で血色も悪く、髭もなく寡黙なのですが、礼儀正しく笑顔も素敵です。あの方はわたくしどもの身の上を尋ねられて、ひどく貧しいとわかるや、一〇歳になる一人娘の音楽教師として来ないかとお誘いを。わたくしが母のそばは離れたくないと申しますと、週末は家に帰って構わない、年に一〇〇払うと。破格のお給金です。それで受けることに決まりまして、ファーナムから六マイルばかり離れたチルタン・グレインジという屋敷へ出向きました。カラザズさんは奥さまを亡くされてましたが、家の切り盛りについてはディクソンさんという立派な年輩の家政婦をお雇いで。お子さまはかわらしく、みなうまくゆくはずでした。カラザズさんはお優しく音楽もお好きで、夕べの集いはとても楽しいものでした。そして週末になると街にいる母のところへ帰る次第です。 わたくしの幸せに入った第一のひびは、あの赤髭のウッドリさんが来たことです。滞在は一週間でしたが、ああ! わたくしには三ヶ月にも思えて。とんでもない人でした――誰にとっても横暴ですが、わたくしに対してははるかにひどく。いやらしく言い寄ってきて、自分の財産を自慢し、結婚したらロンドン一のダイヤをやろうとも言いまして、あげくいつもわたくしが取り合わないものですから、ある日の夕食後、わたくしの腕をとって――しかも恐ろしい力で――口づけしてくれるまで放さないと言い立てるのです。カラザズさんが間に入って引き離してくれましたが、あの男は家主に飛びかかって殴り倒してしまい、顔に怪我まで。訪ねてきたのがそれきりなのは申し上げるまでもなく。



(5)明くる日カラザズさんは謝ってくださって、こんな無礼には二度と遭わせないとわたくしにお誓いを。以後ウッドリさんは見ていません。 ここからがホームズ先生、いよいよ本日ご相談にあがりました特別の事情になるのですが、まずわたくしが毎週土曜の午前に、一二時二二分の街行へ間に合うようファーナムの駅まで自転車に乗ることをご承知おきください。チルタン・グレインジからの道のりはひとけがなく、とりわけひどいところが一ヶ所ございます。ちょうど一マイルほどにわたっておりまして、片側がチャーリントンの荒れ地、もう片側がチャーリントン館をめぐる林になりますから、あれほどひっそりしたところはどこにもないと言っていいほどで。クルックスベリの丘近くの街道に来るまでは荷馬車一台、いえ農夫ひとりに会うことさえありません。二週間前、このあたりを通っておりました折、ふと肩越しに振り返ってみますと、二〇〇ヤードほど後ろに男がひとり見えまして、同じく自転車に。中年の男らしく、黒く短い顎鬚あごひげが。ファーナムの手前でも振り返りましたが、姿はございませんのでそのときは別に気にもとめませんでした。ところが、どんなに驚いたかご想像くださいましホームズ先生、月曜に戻る際、同じ男を同じ道のあたりで目にしたのです。さらにまた、まったく同じことが続く土曜月曜ともう一度あったものですから驚きはいや増して。相手は常に距離をとって、わたくしに触ったりはしないのですが、それでもやっぱり妙で。カラザズさんにその話をすると、わたくしの申し上げたことにご関心を持たれたようで。軽馬車を頼んでおくから、今後ひとりではそのひとけのない道を通らないようにと。その軽馬車は今週来るはずでしたが、何かのわけで届かず、わたくしはまた自転車で駅まで行くことに。



(6)今朝のことです。ご想像通り、チャーリントンの丘にさしかかるあたりで目を見張ると、またしても男がいたのです、二週間前と同じように。いつもわたくしから離れてますから、顔ははっきりと見えませんが、見知らぬ相手なのは確かです。服の上下は黒で、布地の帽子を。顔のあたりでわかることといえば、黒い顎鬚だけで。今日は驚きこそしませんが、妙に気になって参りまして。何者で何が目的なのか、暴いてやろうと考えました。わたくしは自転車の速度をゆるめたのですが、向こうもゆるめましたので、そこで完全に止めてみるとやはり向こうも止まって。ですのでわたくし、相手をひっかけてみたんです。その道には急な曲がり角がありまして、わたくしは全力で漕いで素早く曲がり、そこで止まって待ちました。予想では相手が急に曲がって止まれずにわたくしの前を通り過ぎるはずだったのですが、現れないのです。そこでわたくしは引き返して、角から後ろをのぞいてみますと、一マイルの道のりが見えるだけで、相手はいません。その上おかしなことに、その地点には入り込むような横道はないのです。」 ホームズはほくそ笑んで手をこすり合わせて、「なかなか特色ある事件だ。」と言い、「角を曲がってから道が無人だと気づくまでの所要時間は?」「二、三分かと。」「では相手は道を引き返せず、なおかつ横道はないとおっしゃる?」「はい。」「では相手は両側のどちらかに踏み入ったことに。」「荒れ地側はありえません。見えますから。」「と、消去法でチャーリントン館へ道を取ったのが正しいことに。確か道の片側に敷地があるのでしたね。他には何か?」「ございません、ホームズ先生。ただ何が何だかわからなくて。お会いしてご助言いただくまで心が安まらず。」



(7)ホームズは黙ったまま、しばらくじっとしていた。「婚約された紳士の方はどちらに?」とようやく口を開く。「コヴェントリの中部電気会社におります。」「不意にあなたを訪ねてくることは?」「あらホームズ先生! そんなふたりが他人みたいに?」「それまで他にあなたを慕う人は?」「シリルと会う前に幾人か。」「後は?」「あの嫌らしい人、ウッドリが。仮に想い人としましたら。」「他には誰も?」 この美しい依頼人はやや戸惑っているようだった。「誰なのですか?」とホームズが問いつめる。「その、これは単なるわたくしの思い違いかもしれません。ですけど時折、雇い主のカラザズさんが、わたくしにお心あるらしく思えることも。ふたりきりになることだって。夜にはあの方の伴奏をつとめます。あの方は何もいいませんし、立派な紳士ですが、女はいつも気づくもので。」「ふむ!」とホームズの顔は真面目だ。「その方、生計の方はどうやって?」「お金持ちですから。」「馬車や馬もないのに?」「ともかく暮らしぶりはよくて、でも週に二、三度はロンドンへ出てまして、何でも南アフリカの金鉱の株にとても興味がおありだとか。」「ではまた何か進展がありましたらお知らせを、スミスさん。現在は多忙なのですが、いずれあなたの件をお調べする暇もできるかと。それまでは、断りなく事を進めぬよう。さようなら、よい知らせが来るよう願っております。 自然の摂理に基づけば、ああいう娘にはつきまとう男がいるものだ。」とホームズは瞑想用のパイプを取り出す。「しかしわざわざひとけのない田舎道で自転車に乗ることもないだろうに。人に明かせぬ恋の類なのは何より相違ないが、にしてもこの事件には奇妙な裏がありそうだ、ワトソン。」



(8)「ある場所にだけ男が現れるというあれかね?」「まさしく。僕らのまずやるべきは、チャーリントン館の居住者が何者か探ることだ。それからまた、カラザズとウッドリはどういう関係なのか。どうもこれほど性格が異なっていてはね。そもそもどうしてこのふたりがラルフ・スミスの親類を探し出そうと躍起になったのか。さらにもうひとつ。家庭教師に相場の二倍払いながらも馬一頭もないとはどういう家計になっているのか。駅から六マイルもあるというのに。おかしいね、ワトソン――実におかしい!」「行くのかね?」「僕でなく君がね。案外ちんけなたくらみかもしれぬし、そのために他の大事な調査を中断するわけにはいかない。月曜の朝、ファーナムへ行って、チャーリントンの荒れ地近くに身を隠してくれたまえ。実際にその目で確認したら、あとは自分の判断で動くこと。それから館の住人についても調べた上で、帰って僕に報告を。さてワトソン、話はここまでだ。何か足がかりでも見つけて、解決へと向かえでもしないかぎりは。」 ご婦人の話から、本人が月曜九時五〇分ウォータルー発の列車で発つと知っていたので、私は早めに出かけて九時一三分に乗った。チャーリントンの荒れ地までの道は、ファーナム駅で難なく聞けた。若いご婦人の受難の地も見紛うところではなく、開けた荒れ地とイチイの藪に挟まれて道が伸びており、藪の奥に巨木がちらほら見える館の広場があった。苔むした正門には両の柱に崩れた紋章がついていたが、この正面の車道のほか何ヶ所か藪が途切れており、狭い抜け道になっているらしい。館は表の道からは見えないが、周囲の様子から荒廃していると思われた。 荒れ地ではハリエニシダが一面花盛りで、春の明るい日差しを浴びて燦爛と輝いている。



(9)私は茂みのかげ、館への車道と道の端から端までを見渡せる位置に身を潜めた。場所に着いたときには人もなかったが、やがて来た方とは反対から、自転車に乗った人影が現れた。男は上下黒に身を包み、黒の顎鬚も見て取れる。チャーリントンのあたりに来ると、男は自転車から降りて、藪の隙間へと忍び込んで姿が見えなくなった。 一五分が経って、また別の自転車が現れる。今度は駅からやってきた例の若きご婦人だ。チャーリントンの藪まで来ると、あたりを気にし始めた。少し遅れて男が隠れた場所から出てきて、自転車に飛び乗り、ご婦人を追いかける。一望した景色のなかで動いているのはふたりだけで、一方は自転車にすっくと乗った優雅な女性、もう一方はその後ろで取っ手に身を屈め、その動きひとつひとつがこそこそとして妙に曰くありげな男。依頼人は振り返って男を見ると、速度を落とす。男も同じくする。依頼人止まる。男もすぐ止まり、二〇〇ヤードほど距離を取ったままにする。依頼人の次の行動は思いがけない突飛なものであった。いきなり車体を反転させると、相手に向かってつっこんでいったのだ。だが相手もまた同じくして、死に物狂いで逃げ出した。ほどなくして依頼人は自転車を元に戻して、胸を張って無口の相手にはもう目もくれぬと進んでいく。するとまたも男は向きを変えて、距離を取ったまま、やがて道の角に入って見えなくなった。 なお私は隠れたところにいたが、結果として功を奏した。そのうち例の男がまた現れ、自転車でゆっくりと引き返してきたのだ。館の門のところで内側に入り、自転車から降りる。しばらく林のなかでたたずんでいるのが見えた。手が動いており、ネクタイを結び直しているようだ。


(10)そのあと自転車にまたがり、私から見て奥に当たる館への道を進んでいった。私は荒れ地を動いて木のあいだからのぞき込む。遠くの方にテューダー朝様式の煙突の数々そびえ立つくすんだ古屋敷がちらちら見えたが、車道はうっそうとした木々のあいだを通っていて、男の姿はもはや見えない。 とはいえ、自分にはこの朝、実にいい仕事をしたと思えたので、意気揚々とファーナムへ歩いて戻った。現地の不動産仲介人はチャーリントン館について何も語れず、ペル・メルの有名な会社を紹介された。そこで帰るついでに立ち寄ると、そこの仲介人は丁寧に応対してくれた。いやあ、チャーリントン館は夏のあいだは無理ですよ、ちょっと遅すぎましたね、一ヶ月ほど前に貸しました、ウィリアムソンさんというのが借り主の名前で、立派な老紳士です。丁寧な仲介人はこれ以上言えないと恐縮していたが、むろん客のことはむやみに話せることでもない。 シャーロック・ホームズ先生はその夜、私の出し得た長い報告を傾聴なさっていたが、ひとつの誉め言葉さえなかった。自信があったのに、それどころか、その険しい顔がいつも以上に厳しいものになって、私のしたこと、仕損じたことにけちを付けだした。「隠れた場所だ、ワトソンくん、実にまずい。藪のかげにするべきだった。そうすればその怪しい人物を間近で見られたはず。ところが君は何百ヤードと離れたばかりに、スミス嬢以下の報告しかできない始末。本人の考えでは相手を知らないらしいが、僕はその逆だと確信している。そうでなければ、なにゆえ近づかれて顔を見られないよう懸命に苦慮する必要があろう。君の話では、取っ手に屈んでいたという。隠したいのだ、やはり。君の手際は実にまずかった。男は館に戻り、君はその正体を突き止めたい。なのにロンドンの住宅仲介人のもとへ行くとは!」



(11)「何をすればよかったのかね!」と私は熱くなって声を張り上げる。「最寄りの酒場だ。そここそ田舎の噂話の中心。そこのやつらは君に、主人から食器洗いの女中まで、あらゆる評判を教えてくれよう。ウィリアムソン? 何の推理の足しにもならない。年輩の男なら、あの若いご婦人の素早い動きから逃げきった、運動のできる自転車乗りではない。君の出張で得たものは何か。娘の話が正しいという裏付け。最初から疑ってなどいない。自転車乗りと館が関係あること。これまた同様。館の借り主がウィリアムソンであること。何の役に立つ? いやはや、いいかい、そう落ち込まないことだ。次の土曜までできることはほぼない。それまでに、僕の方でひとつふたつ調べてもいいな。」 明くる朝、スミス嬢からの知らせを我々は受け取った。私の見た出来事がそのまま手短に書かれていたが、手紙の核心は追伸にあった。 ご内密にしてくださることと存じますが、ホームズ先生、実を申しますとわたくしの立場が難しくなって参りました。と申しますのも、雇い主がわたくしに求婚なすったのです。あの方の想いは実に深く真摯なものと存じますが、一方でもちろんわたくし自身の婚約もございます。あの方は断りの返事を重くかつ寛い心でお受け止めになりました。とはいえ、少々苦しい立場もご理解いただけるかと存じます。「我らが若いご友人は泥沼にはまりつつあるらしい。」と手紙を読み終えるとホームズが悩ましげに言った。「この件はどうもはじめ考えた以上の妙味と発展性を見せている。田舎で物静かな一日も悪くない。今日の午後はひとつ出向いて立ててみた仮説をひとつふたつ試してみることにしよう。」 ホームズの言う田舎の物静かな一日は、結果妙なことになった。。」 ホームズの言う田舎の物静かな一日は、結果妙なことになった。

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米澤章夫

Author:米澤章夫

小説文解読パズル」考案者

沢山の方々のご訪問ありがとうございます。
このブログの本文は、小説文解読パズル(Seesaaブログ)
の出題元となっています。段落内の漢字が出題されますので、よくお読みください。

ところで、どんなトレーニング、学習にせよ「面白い」と感じている時は集中力は増します。集中力が増せば効果も増します。本ブログはこの理屈に基づいた漢字暗記法を公開しております。ブログには小説文中の任意の漢字または漢字と送り仮名の音が数字化されており、小説文を読みながら、それらの数列を数字に分割し、分割した数字を漢字の「読み」「綴り」に戻していくうちに、それらの記憶を強化できるというものです。分割するたびに、いろんな漢字が脳裏によみがえり、答え合わせをすることで「綴り」を確認することができます。前後の句と比較することで、その「使い方」を確認することもできます。以上のことから、「記憶の呼び戻しは、数列解読過程にある」と言っても過言ではありません。あなたも「数列にどんな言葉が隠されているのか」推理してみませんか。そして、漢字の記憶を呼び戻してみませんか。

鳥取市在住。ブロとも大歓迎です。

バズル作り、ゲーム作りが第一の趣味

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「パズルで脳トレ講座」オンライン講師
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していますので、まずは、そちらをお試しください(無料)。
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